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和書 読書

【感想】さいごの毛布(近藤史恵) 老犬ホーム 犬も人も生きるって大変だ

あらすじ

犬の終生看護を掲げる、老犬ホームは事件がいっぱい!?
年老いた犬を飼い主の代わりに看取る老犬ホームに勤めることになった智美。なにやら事情がありそうなオーナーと同僚、ホームの存続を脅かす事件の数々――。愛犬の終の棲家の平穏を守ることはできるのか?

<出版社より>

 

表紙のわんこにずっと惹かれていた作品。
ただし、タイトルに要注意。
絶対に泣けるやつ。読むの勇気いるやつ。

というわけで、Kindleのライブラリにひっそりと置いていたんですが、先日長時間移動したもので腹を括って読み始めることに。

なんで、移動中に読もうと思ったん、私。泣けるやつって警戒してたやん。おかげでマスクで顔隠しながら読む羽目になったやん。
と言いつつも、読んでよかった。長い間警戒して読まなかったことを後悔するくらいによかった。

人とうまく付き合っていくことのできない主人公が友人のすすめで老犬ホームで働くことに。さまざまな理由で預けられる犬たち。飼い主の理不尽な言い分に付き合わされる犬たちの様子に憤りを感じるも、飼い主には飼い主の事情も思いもある。仕事として割り切って受け入れなければならないモヤモヤが募りました。
しかし読み進めていくにつれ、犬に寄り添うだけでなく、飼い主にも寄り添わないといけない場合もあるんだなと。広い視野、さまざまな視点を持つということの重要性を考えさせられ反省。

飼い始めたら最後まで飼う覚悟は当然だと思っていますが、予期せぬ出来事は起こるものですね。そういった時に老犬ホームに限らず、ペットホームなるものは必要なのかもしれない。わんこもにゃんこも自分だけのお家・飼い主を持つことが幸せだとは思うけれど、うまく里親さんが見つからないかもしれない。またどうしても緊急の事情もあるかもしれない。そういった時に選択肢が多いのは人間だけでなく動物たちにとっても幸せでしょうね。

老犬ホームを題材としていますが、そこを軸として人間関係や偏りがちな視点・視野についても考えちゃう作品でした。あ〜、私もそういう風に思いがちって何度も思いましたね。
読後に寂しくなるかなと心配していましたが、前向きな気持ちで本を閉じました。もう少し先も気になったな〜。

 

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