あらすじ
この嫁入りは黄泉への誘いか、奇跡の幸運か――
名家に生まれた美世は、実母が早くに儚くなり、継母と義母妹に虐げられて育った。
嫁入りを命じられたと思えば、相手は冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞(きよか)。
数多の婚約者候補たちが三日と持たずに逃げ出したという悪評の主だった。
斬り捨てられることを覚悟して久堂家の門を叩いた美世の前に現れたのは、色素の薄い美貌の男。
初対面で辛く当たられた美世だけれど、実家に帰ることもできず日々料理を作るうちに、少しずつ清霞と心を通わせていく――。
これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。
<出版社より>
友人からのおすすめ本。友人曰く「私も勧められたんだけど、タイトルに一瞬怯んだけどハマった!」との事で怯みながらもハマるってどんなもんよ?と俄然興味が湧きさっそく書籍サイトを検索してみたんですけど…。私はまず表紙に怯みましたね。可愛すぎる。この絵柄のお話についていけるかしら?と思いつつも友人のハマり具合も気になるのでとりあえず購入。
…ハマりましたね。
タイトルとカバー絵から大正浪漫ものかと推測していたんですが、まさかのファンタジー。時代は明治維新後〜昭和初期あたりでしょうか。異形が蔓延る世の中、それに対抗するのは異能を持った者たち。異能にも種類があり異能を輩出する家柄によって異なり、ここでも各家の存続とプライドを賭けた水面下の争いなんかも垣間見えます。この辺りの設定は陰陽師とかを意識してのことでしょうか。違和感は感じませんでしたね。
ライトノベルだけあって、さっくり読めます。テンポがいいですね。王道和風シンデレラストーリーといった感じで、わかりやすく憎まれ役が出てきますが勧善懲悪・水戸黄門みたいでスカッとしました(笑)。
個人的には感想としては、境遇のせいとはいえ主人公がへりくだり過ぎかなと思いましたが、キャラ設定としてはわかりやすくていいかもしれませんね。今後の主人公の成長や変遷が見どころとなってくる予感。
1巻では主人公・美世には異能の力がないとされていますが、作品後半からはなんとなく匂わせてきます。しかも血筋的にかなり強大な異能なのではと想像が先走りますが残念ながら1巻ではまだまだそちらは発揮されず。2巻以降に持ち越しか…。ということで2巻以降を一気買いさせていただきました(笑)。
本作はコミカライズされていて、実写版映画化もされており映画を観る前に予習として小説を読んでハマった読者も多いようですので、映画を観るならまずは1巻を試し読みしてみてはいかがでしょう。